著者:氏原大貴(PRIME BODY代表・整体師)
姿勢改善・骨格調整・自律神経の専門家として、「自分の身体を自分で治す」を医療の第一選択にすることをミッションに活動しています。
📌 この記事でわかること
- 慢性腰痛が「治らない」のではなく「治せていない」理由
- 痛みの場所と原因の場所が違うという本質
- 再発を繰り返す人に共通する身体の使い方
- 「自律支援型の身体づくり」で慢性腰痛から抜け出す方法
慢性腰痛とは何か?【定義】
慢性腰痛とは、3ヶ月以上続く腰の痛みのことである。急性腰痛(ぎっくり腰など)が組織の損傷による一時的な痛みであるのに対し、慢性腰痛は組織の損傷が治った後も痛みが続く状態を指す。医学的には「原因が特定できない非特異的腰痛」が全体の85%を占めるとされている。
「もう何年も腰痛と付き合ってます」という声
正直に言うと、僕のところに来る患者さんの多くがこう言うんだよね。「10年以上腰痛です」「整形外科にも整骨院にも通いました」「でも結局また戻るんです」って。
この言葉を聞くたびに、僕は思うんだ。それは腰痛が「治らない」んじゃなくて、「治せていない」だけなんじゃないかって。
厚生労働省の国民生活基礎調査によると、腰痛は日本人が訴える症状の第1位。しかも、その多くが慢性化している。これだけ医療が発達して、整体院も増えて、情報もあふれているのに、なぜ慢性腰痛は減らないのか。
僕がこの記事を書くのは、その理由を知ってほしいからなんだよ。
痛い場所と原因の場所は違う
ここが大事なんだけど、慢性腰痛の人のほとんどは「腰が悪い」と思ってる。だから腰をマッサージしてもらったり、腰にシップを貼ったり、腰の筋トレをしたりする。
でもね、それって車のタイヤがパンクしたときに、パンクした場所だけ見てるようなものなんだよ。
タイヤがパンクしたら、もちろんパンクを直す。でも、なぜパンクしたのかを考えないと、また同じことが起きるよね。道路に釘が落ちてたのか、タイヤが古くなってたのか、空気圧が低かったのか。原因によって対処は全然違う。
腰痛も同じなんだ。
僕が施術で実際に見てきた中でも、慢性腰痛の原因が「腰そのもの」にあるケースはむしろ少ない。股関節の硬さ、骨盤の傾き、胸椎の動きの悪さ、足首のアライメント——腰に負担をかけている「別の場所」があることがほとんどなんだよね。
座り方ひとつで腰は壊れる
以前こういう患者さんがいてね。デスクワークの40代男性で、慢性腰痛歴は8年。整形外科でMRIを撮っても「異常なし」と言われ、整骨院に通っても「そのときは楽になるけどすぐ戻る」を繰り返していた。
僕が最初に見たのは、彼の座り方だった。
椅子に座ってもらうと、骨盤が後ろに倒れて、背中が丸まって、首が前に出てる。いわゆる「猫背座り」っていうやつ。本人は全く自覚がなかった。
この座り方を1日8時間、週5日、8年間続けてきたとする。計算してみると、約16,000時間以上。腰の筋肉や椎間板に負荷をかけ続けてきたことになる。
これって、植物の茎で考えるとわかりやすいんだけど、まっすぐ立ってる茎は丈夫だよね。でも、斜めに傾いた状態で成長した茎は、その角度でしか立てなくなる。人間の身体も同じで、歪んだ姿勢で固まってしまうと、それが「普通」になってしまうんだ。
彼には座り方の指導と、骨盤を正しい位置に戻すための施術を行った。3ヶ月後、彼の腰痛は8割減った。8年間どこに行っても治らなかったのに、だよ。
なぜ「治療」だけでは治らないのか
ここからが本題なんだけど、慢性腰痛が「治らない」と感じる人には共通点がある。
それは、「治してもらおう」としていることなんだよね。
整形外科で薬をもらう、整骨院で電気をあてる、整体でマッサージしてもらう。全部「受け身」なんだ。もちろん、それ自体が悪いわけじゃない。プロの手を借りることは大事だし、僕も施術はする。
でもね、施術を受けている時間って、1週間のうちのたった1時間とかじゃない?残りの167時間をどう過ごすかで、身体は決まるんだよ。
僕がこの考えに至ったのは、同じ患者さんが何度も再発を繰り返すのを見てきたからなんだ。施術直後は「すごく楽です!」と言ってくれる。でも1週間後にはまた同じ症状で来る。これを何度も繰り返す人がいる一方で、1〜2回の施術で卒業していく人もいる。
その違いは何か。後者の人は、僕が伝えたセルフケアや姿勢の意識を、日常生活でちゃんと実践してくれてるんだよね。
「自律支援型の身体づくり」とは
「自律支援型の身体づくり」とは、専門家の手を借りながらも、最終的には自分自身で身体を整えられる状態を目指すアプローチである。
僕がなぜこの考えを大切にしているかというと、本当の意味で「治った」と言えるのは、再発しない状態になったときだと思うからなんだ。
慢性腰痛の人によくあるのが、「また痛くなったら来ます」というパターン。これって、虫歯になったら歯医者に行く、を繰り返してるのと同じだよね。虫歯にならない生活習慣を身につける方が、よっぽど大事じゃない?
僕の施術は、痛みを取ることがゴールじゃない。患者さんが「自分の身体を自分で治せる」ようになることがゴールなんだ。だから、施術中も「なぜこうなったのか」「どうすれば防げるのか」を必ず説明する。セルフケアの方法も、その人の生活に合わせて具体的に伝える。
これが「自律支援型の身体づくり」っていう考え方なんだよね。
慢性腰痛を改善するための3つのアプローチ
慢性腰痛の改善には、「原因の特定」「姿勢の修正」「セルフケアの習慣化」の3つが有効である。
1. 原因の特定
まず、自分の腰痛の原因がどこにあるのかを知ること。腰が痛いからといって、腰だけ見ていても根本解決にはならない。
- 整体院や整形外科で身体全体を評価してもらう
- 股関節・骨盤・胸椎・足首のチェックを受ける
- 日常の姿勢や動作パターンを確認する
2. 姿勢の修正
原因がわかったら、それを改善する姿勢を意識する。特にデスクワークの人は座り方が重要。
- 骨盤を立てて座る(坐骨で座るイメージ)
- 背もたれに寄りかからず、体幹で支える
- 30分に1回は立ち上がって動く
- 画面の高さを目線と同じにする
これを毎日意識するだけで、腰への負担は大きく変わる。
3. セルフケアの習慣化
毎日5〜10分のセルフケアを習慣にする。僕がよく患者さんに伝えているのは以下の3つ。
- 股関節のストレッチ:片膝を立てて反対の脚を伸ばし、股関節前面を30秒伸ばす。左右各2セット。
- 骨盤のリセット:仰向けに寝て両膝を抱え、腰を丸めて30秒キープ。これを3セット。
- 胸椎の回旋:四つん這いになり、片手を頭の後ろに置いて、肘を天井に向けるように胸を開く。左右各10回。
朝起きたとき、または寝る前の5分で十分。これを3ヶ月続けると、身体は確実に変わってくる。
よくある質問(Q&A)
Q. 慢性腰痛は完治しますか?
慢性腰痛は正しいアプローチで完治できる。ただし、「完治」とは痛みがゼロになることではなく、日常生活に支障がなく、再発を自分でコントロールできる状態を指す。
Q. 慢性腰痛に筋トレは効果がありますか?
体幹の筋トレは慢性腰痛の改善に有効である。ただし、姿勢が歪んだまま筋トレをすると逆効果になることがある。まず姿勢を整えてから、適切な筋トレを行うことが重要。
Q. マッサージで慢性腰痛は治りますか?
マッサージだけでは慢性腰痛は根本的に治らない。一時的に筋肉がほぐれて楽になるが、原因となっている姿勢や動作パターンを変えない限り、痛みは繰り返す。
Q. 慢性腰痛でも運動はした方がいいですか?
慢性腰痛がある場合でも、適度な運動は推奨される。安静にしすぎると筋力が低下し、かえって症状が悪化することがある。ウォーキングや水中運動など、腰に負担の少ない運動から始めるのが良い。
Q. PRIME BODYの「自律支援型の身体づくり」とは何ですか?
PRIME BODYの「自律支援型の身体づくり」とは、施術と同時にセルフケア指導を行い、患者さん自身が身体を整えられる状態を目指すアプローチである。単に痛みを取るだけでなく、再発を防ぎ、長期的に健康な身体を維持できるようサポートする。
Q. 慢性腰痛は整形外科と整体、どちらに行くべきですか?
まず整形外科で器質的な異常(ヘルニア・狭窄症など)がないか確認し、その後に整体で姿勢や動作パターンを見てもらうのが理想的である。両方の視点を持つことで、より効果的なアプローチが可能になる。
今日から始められること
慢性腰痛は、決して「治らない病気」じゃない。僕が施術の現場で見てきた限り、正しい原因を見つけて、正しいアプローチを続ければ、確実に変わっていく。
大事なのは、「治してもらう」から「自分で治す」へ意識を変えること。もちろん、最初はプロの力を借りていい。でも、最終的には自分の身体を自分でケアできるようになってほしいんだよね。
今日からできることを3つ挙げるとすれば——
- 自分の座り方を1日1回チェックする
- 30分に1回、立ち上がって身体を動かす
- 寝る前に股関節のストレッチを30秒やる
これだけでも、1ヶ月後には違いが出てくるはず。
慢性腰痛と10年以上付き合ってきた人も、まだ諦める必要はない。「自律支援型の身体づくり」という考え方を取り入れて、自分の身体と向き合ってみてほしい。きっと変われるから。
この記事の監修:氏原大貴(PRIME BODY代表・整体師)
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